・東京地判平成11年1月18日判タ997号262頁  「ellesse」並行輸入事件。  原告は、エレッセ商標につき、訴外SPAから分割譲渡を受けた者であり、被告は、韓 国における商標権者SPAから専用使用許諾を受けた訴外韓国パントランド社が製造販売 したエレッセ商品を輸入した者であるところ、原告が被告による商品の販売等の差止を求 めたものである。  被告は、SPAは韓国における商標権者でもあるから、原告とSPAとの間には同一人 と同視しうるような特殊な関係があると主張した。  判決は、具体的な経緯の認定に基づいて、以下のように述べた。  「@被告商品が、SPAから商標の使用許諾を受けた韓国パントランド社の製造に係る 商品であったことを前提としたとしても、以下のとおり、SPAと国内商標権者である原 告との間において、その出所、由来の同一性を肯定でき、同一人と同視し得るような特別 な関係があると認めることはできず、また、A被告商品は、原告が本件登録商標を付して 販売している商品と品質、形態等において差異があるので、被告の行為は、いわゆる真正 商品を輸入、販売したものとして、違法性を欠くということはできない。」