・東京地決平成12年6月6日判時1712号175頁  使い捨てカメラ権利消尽事件。  債権者(コニカ株式会社)はフィルム一体型カメラにつき、実用新案権および意匠権を 有しており、債務者会社は、フィルム一体型カメラの使用済みプラスチック製筐体部分を 利用して、別途入手したフィルムと乾電池を充填して、詰め替え製品を販売している。本 件は、原告が、被告に対し、実用新案権および本件意匠権にもとづいて、差止等を求めた ものである。ここでは、使い捨て商品として流通におかれた商品について、これを購入し た被告が被告製品を再販売したことについて、消尽により実用新案権および本件意匠権の 効力がおよばないと解すべきかどうかが問題となった。本件決定は、最判平成9年7月1 日の判断を前提として、債権者の権利が消尽しないとして被告に対し、被告製品の販売差 止め、および執行官保管の仮処分を命じた。 ■評釈等 滝井朋子・判例評論504号31頁(2001年) 横山久芳・ジュリスト1201号148頁(2001年) ■判決文  「したがって、当該取引について、その対象となった実施品の客観的な性質、取引の態 様、利用形態を社会通念に沿って検討した結果、権利者が、譲受人に対して、目的物につ き権利者の権利行使を離れて自由に業として使用し再譲渡等できる権利を無限定に付与し たとまでは解することができない場合に、その範囲を超える態様で実施されたときには、 権利者は、実用新案権ないし意匠権に基づく権利を行使することができるものと解される。」