・東京高判平成12年10月10日判時1737号118頁  「AIcom AI&communication」事件。  原告(アイコム株式会社)は、「ICOM」「アイコム」の引用標章が、被告(株式会社 アイコム)が商標権を有する本件商標「AIcom AI&communication」に類似し、商標法4 条1項10号にあたるとして無効審判を請求したところ、審決は、本件商標と引用商標 とは生類時で類似するとしながらも、本件商標の指定役務(「電子計算機用プログラム を記憶させた磁気ディスクの貸与」を含む」)と引用商標が周知となっている「通信機 器」の商品とは非類似であるとして、原告の審判請求を不成立とした。本件は、本件審 決の審決取消し訴訟であるが、本判決は、「原告主張の『プログラムを記憶させた磁気 ディスク等』が流通することを予定している商品であるのに対し、本件役務のうち磁気 ディスク等に関連するものは『電子計算機用プログラムを記憶させた……磁気ディスク ……の貸与』であって、商品と貸与との相違があるし、前記二に説示したところに照ら せば、共通しない他の取引態様も多く存在しうるものであるから、これら共通する態様 のある点をもってしても、本件役務と、引用商標について原告が主張する商品とが類似 するものと認めることはできない」として、請求を棄却した。