・大阪高判平成13年3月29日判時1749号3頁  中古ゲームソフト販売事件〔大阪訴訟〕:控訴審。  判決は、争点(映画の著作物性)1、2(頒布権の有無)については、原審と同じく、 本件各ゲームソフトは「頒布権のある映画の著作物」に該当すると判断したが、争点3 (頒布権の消尽等)については、原審と異なり、本件各ゲームソフトについて認められる 頒布権は第一譲渡によって消尽すると判断して、原審を変更して控訴人の請求を認容した。  判決は、「本件各ゲームソフトが映画の著作物に該当する以上、法二六条が適用される ことになるのは当然であって、明文によって認められる権利を否定するにはそれだけの十 分な理由付けが必要であるところ、右事由は、未だ本件各ゲームソフトについて頒布権を 否定するに足りるだけの理由に至っていないというべきだからである」として頒布権を認 めたうえで、「法二六条所定の頒布権には本来権利消尽の原則が働くが、前記のような配 給制度に該当する商品取引形態(後段頒布)は、流通に置かれる取引の態様からして自由 な商品生産・販売市場を阻害する態様とならないといえるから、権利消尽の原則の適用さ れない例外的取引形態というべきであり、このような取引については右の原則は適用され ず、著作者の権利が及ぶと解するのが相当であ」るとし、「ゲームソフトの複製物は、大 量に生産され、直接、大衆に対し大量に販売され、本件各ゲームソフトは、一次卸店を通 じて、卸店、小売店を経由して最終ユーザーに譲渡されたのであるから、劇場用映画にお けるような例外的商品取引形態でなく、いったん市場に適法に拡布されたものということ ができ、そうすると、権利消尽の原則という一般的原則により、被控訴人らは、少なくと も最終ユーザーに譲渡された後の譲渡につき頒布禁止の効力を及ぼすことができないとい うべきである」として、原審判決を取り消した。 (第一審:大阪地判平成11年10月7日、上告審:最判平成14年4月25日) ■評釈等 高橋岩和・CIPICジャーナル111号44頁(2001年)