・東京地判平成13年9月20日  アンテナ君ナイン事件。  本件は、2段折れ収納形状を有する携帯電話機用アンテナを製造販売する原告(株 式会社ソシエテアペックス)が、被告(株式会社フジモト)の製造販売する携帯電話 機用のアンテナは、原告の製造販売に係るアンテナの形態を模倣した商品であると主 張して、被告に対し、不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為又は一般不法 行為(選択的併合)を理由として損害賠償を求めている事案である。  判決は、「原告商品の形態と被告商品の形態は酷似しており、実質的に同一である ということができる」としたうえで、「原告は、2段折り収納形状の携帯電話機用ア ンテナである原告商品を他者に先駆けて開発し、市場に置いたものである。携帯電話 機用アンテナとしては、従来電話機の付属アンテナが一般的に用いられていたことか らしても、2段折り収納形状がアンテナとしての機能を発揮するための不可避的な形 態ということはできないし、また、携帯電話機用アンテナの分野において既存の製品 に2段折り収納形状の物が存在しなかったのであるから、同形状が同種の商品の形態 としてありふれたものであるということもできない。したがって、原告商品の形態を もって、「同種の商品が通常有する形態」ということはできない」として、原告の損 害賠償請求を認容した。