・大阪地判平成14年4月23日  公共工事設計積算システム事件:第一審 本件は、「公共工事設計積算システム」と称するプログラムの著作権を有している原告 (シーエーエヌ株式会社)が、被告(株式会社ドッドウェルビー・エム・エス)に対し、 @被告ソフトの作成、販売は、原告ソフトについての原告の著作権(複製権、翻案権) を侵害するとして、被告ソフトの複製・頒布・翻案の差止めを請求し、A被告は、原告 ソフトに関する本件営業秘密が不正に取得されたことにつき悪意若しくは重過失でこれ を取得し(不正競争防止法2条1項5号)、又は本件営業秘密の取得後に、本件営業秘 密について不正取得行為が介在したことにつき悪意若しくは重過失で本件営業秘密を使 用若しくは開示した(同項6号)として、本件営業秘密の使用及び開示の差止め並びに 原告ソフトを使用して開発した被告ソフトの廃棄を求め、B著作権侵害又は不正競争防 止法4条に基づく損害賠償を請求している事案である。  判決は、「被告ソフトが原告ソフトを複製ないし翻案したものであることを認めるに は足りない」としたうえで、「営業秘密であることの主張、立証はない」と述べ、原告 の請求を棄却した。 (控訴審:大阪高判平成15年7月15日) ■争 点 (1) 被告ソフトは、原告ソフトを複製ないし翻案したものか。 (2) 被告は、原告ソフトの著作権を侵害する行為をしたか。 (3) 被告は、原告ソフトに関する本件営業秘密が不正に取得されたことにつき悪意若し くは重過失でこれを取得し、又は本件営業秘密の取得後に、本件営業秘密について不正 取得行為が介在したことにつき悪意若しくは重過失で本件営業秘密を使用若しくは開示 したか(不正競争防止法2条1項5号、6号)。 (4) 損害の発生及び額