・東京地判平成14年4月26日  goo.co.jp事件:第一審  原告(有限会社ポツプコーン)は、音楽歌唱施設の経営等を業とする有限会社であり、 平成8年8月16日、ドメイン名「goo.co.jp」を社団法人日本ネットワークインフォメー ションセンター(JPNIC)に登録した。被告(株式会社エヌ・ティ・ティエックス) は、通信ネットワークを利用した各種情報提供サービス等を業とする株式会社であり、株 式会社エヌ・ティ・ティ・アドが、平成9年2月12日に登録したドメイン名「goo.ne.jp」 および被告サイトを商標権とともにを譲り受けた。  被告は、平成12年11月20日、本件ドメイン名の登録を被告に移転することを求 めて、工業所有権仲裁センターに裁定を申し立て、工業所有権仲裁センター紛争処理パ ネルは、平成13年2月5日、本件ドメイン名の登録を被告に移転することを命ずる裁 定を行った。原告は、裁定を不服として、平成13年2月16日、当裁判所に本件訴訟 を提起した。本件は、原告が、紛争処理方針に定められた登録移転の要件を充たさない 旨主張して、本件ドメイン名を使用する権利を有することの確認を求めた事案である。  判決は、「本件訴訟は、本件裁定によって本件ドメイン名の使用権がないものとされ た原告が、紛争処理手続の申立人である被告に対して、本件ドメイン名の使用権、すな わち、JPNICとの契約に基づいて本件ドメイン名を使用する権利の確認を求めるも のであって、当該契約の解除事由たる紛争処理方針4条a(@)ないし(B)の要件が 存するかどうかが争点であるということができる」としたうえで、「(@)登録者のド メイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一または混同 を引き起こすほど類似していること、(A)登録者が、当該ドメイン名の登録について の権利または正当な利益を有していないこと(B)登録者の当該ドメイン名が、不正の 目的で登録または使用されていること」について、「原告は、ドメイン名登録の移転又 は取消を求めるための要件を定めた紛争処理方針4条a(@)ないし(B)をすべて充 たしている」として、原告の請求を棄却した。 (控訴審:東京高判平成14年10月17日)