・東京高判平成14年11月14日  「ローム層をさぐる」事件:控訴審  本件は、被控訴人M(もと控訴人(第四紀研)の会員)が執筆し、平塚市、相模川を きれいにする協議会ないし神奈川県が発行した「ローム層をさぐる−大磯丘陵東部編」 等の文書に、控訴人(関東第四紀研究会)らの作成した資料(地質図、柱状図等)が、 無断で、かつ、引用であることを示す表示なしに掲載されたとして、著作物の公表権 (著作権法18条)、氏名表示権(同法19条)及び複製権(同法21条)を侵害され たとして、控訴人らが、被控訴人らに対し、著作権法112条1項及び2項に基づき、 同文書の印刷等の中止並びに文書の回収及び廃棄を、民法709条に基づき、損害賠償 の支払を、それぞれ請求したものである。  原判決は、控訴人らの請求の一部を認容し、その余を棄却した。これに対し、控訴人 らは、敗訴部分について控訴するとともに、調査データに基づく発表に関する合意の違 反を新たな請求原因として追加した。被控訴人市及び同Mも、敗訴部分について附帯控 訴をした。  判決は、「控訴人ら中、前仮処分事件の当事者であった者らはもちろん、そうでない 控訴人らについても、前仮処分事件の申請日の3年後である昭和63年7月8日の経過 をもって、損害賠償請求権は時効により消滅している」などとして、原審判決を維持し て、控訴を棄却した。