・東京高判平成15年3月13日  「LUNAR SILVER STAR STORY」事件  控訴人(有限会社スタジオアレックス)と被控訴人(株式会社ゲームアーツ)は、メ ガCD用のゲームソフト「LUNAR−THE SILVER STAR−」(本件製 品(1))の著作権を共有している。控訴人は、被控訴人が製作・販売した、「LUNAR  SILVER STAR STORY」(本件製品(3))が、本件製品(1)の二次的著 作物であるとして、セガサターン版については、著作権利用許諾の約定を含む契約に基 づく著作権使用料の支払を、他については、著作権侵害による不法行為に基づく損害賠 償の支払を、それぞれ求めた事案である。  被控訴人は、不法行為に基づく請求との関係では、本件製品(3)が本件製品(1)の二次 的著作物であることを否認し、本件許諾契約に基づく請求との関係では、本件製品(3)セ ガサターン版が、本件製品(1)の二次的著作物であることを認めた上で、控訴人と被控訴 人との間の「『魔法学園』LUNAR! セガサターン版」(本件製品(2))の製作請負 契約において、控訴人がその債務を履行せず、そのため損害を被ったとして、その損害 賠償債権との相殺を抗弁として主張した。  原判決は、本件製品(3)が本件製品(1)の二次的著作物と認めることができないとして、 請求をすべて棄却した。本件許諾契約に基づく請求については、本件製品(3)セガサター ン版に係る著作権使用料が、993万7380円であるとした上で、本件製作契約にお いて、控訴人には債務不履行があり、これにより被控訴人が被った損害は少なくとも2 506万円を下らないとして、被控訴人の相殺の抗弁を認め、結論として、控訴人の請 求を全部棄却した。  そこで、被控訴人は、控訴審において、本件製作契約の債務不履行に基づく損害賠償 の請求を反訴として提起した。これに対し、控訴人は、債務不履行の存在を否認し、ま た、被控訴人の主張する損害額を争っている。  判決は、控訴人の請求を棄却した原判決を支持し控訴を棄却するとともに、被控訴人 の反訴請求についてはこれを一部認容し、控訴人に対して、被控訴人に6568万29 76円を支払うよう命じた。