・東京高判平成15年7月15日  打撃理論事件:控訴審  控訴棄却。 (第一審:東京地判平成15年3月6日) ■判決文 第3 当裁判所の判断  1 控訴人の主張は、必ずしも明確ではないが、証拠(甲1ないし6)及び弁論の全趣 旨に照らせば、要するに、野球のバッティングに関する控訴人著作物を作成して、被控訴 人に送付したが、これは有料の技術情報提供であって、無料の試用期間後引き続き使用す るときは購入するとの条件であったこと、そして、試用期間経過後も被控訴人が控訴人著 作物を使用していることは、録画されたビデオテープ(甲6。テレビの実況中継やスポー ツニュースにおける被控訴人のバッティング場面を録画したものと認められる。)により 証明されること、試用期間経過後にも代金の支払いをすることなく、上記のように使用す ることは著作権侵害であることを主張しているものと理解される。  2 検討するに、本件全証拠、特に当審で提出された甲5、6を精査しても、被控訴人 の行った野球競技(バッティング)が控訴人著作物を使用してされたものであるという控 訴人の主張事実自体を認めるに足りないばかりか、種々の観点から検討しても、被控訴人 が控訴人著作物の著作権を侵害したことを根拠付ける事由を見出すことはできない。よっ て、控訴人の本訴請求は、理由がないというべきである。  3 以上によれば、控訴人の請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がな いので、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第18民事部 裁判長裁判官 塚原 朋一    裁判官 塩月 秀平    裁判官 田中 昌利