・東京高判平成17年3月24日  デンバー元総領事の写真事件:控訴審  本件は、原告(今田英一)作成のインターネットホームページ上の米国デンバー市を紹 介したウェブサイトにおいて、原告が撮影した、原告の知人であるデンバー元総領事の写 真を掲載していたところ、平成13年当時、社会的に問題となっていた外務省における不 祥事に関連する報道の一環として、被告が放送したテレビジョン番組の中で、原告に無断 で、上記元総領事の写真が使用されたことについて、原告が、被告に対し、同写真の著作 権及び著作者人格権を侵害されたとして、〔1〕4521万円の損害賠償(同法114条 3項)、〔2〕上記写真の複製・公衆送信の差止め(同法112条1項)、〔3〕上記写 真及び上記写真が撮影された録画テープの廃棄(同法112条2項)、〔4〕被害回復措 置としての謝罪放送及び謝罪広告(同法115条)を求めた事案である。  判決は、著作権侵害による損害として60万円、著作者人格権侵害による損害として1 0万円、弁護士費用として30万円、合計100万円を損害額とし、差止請求については 本件著作物の複製ないし公衆送信の差止めを求める限度でこれを肯定した。 (第一審:東京地判平成16年6月11日) ■争 点 (1)争点1−被告が、本件各地方ネットワーク局の放送エリア内に、本件著作物が使用 された本件各番組を原告に許諾を得ずに公衆送信する行為は、原告の著作権(公衆送信権) の侵害と認められるか、また、侵害と認められたとして、その侵害の回数はどのように算 定されるか (2)争点2−原告の損害額 (3)争点3−謝罪放送、謝罪広告、差止め請求の必要性