・東京地決平成19年3月30日  ロクラクU事件  本件は、債権者ら(株式会社東京放送、静岡放送株式会社)が、「ロクラクUビデオデ ッキレンタル」との名称で債務者(株式会社日本デジタル家電)が行っている事業は、ハ ードディスクレコーダー「ロクラクU」2台のうち1台(親機ロクラク)を日本国内に設 置して、受信するテレビジョン放送の放送波をその1台に入力するとともに、これに対応 するもう1台(子機ロクラク)を利用者に貸与又は譲渡することにより、当該利用者をし て、日本国内で放送される放送番組の複製及び視聴を可能とするサービスであるとし(利 用者は、子機ロクラクを操作して、親機ロクラクにおいてアナログ地上波放送を受信して テレビ番組を複製させ、複製した番組のデータを子機ロクラクに送信させ、子機ロクラク に接続したテレビ等のモニタで、複製したテレビ番組を視聴することができる)、その事 業を行う債務者の行為は、債権者TBSが著作権を有する本件著作物及び債権者SBSが著作隣 接権を有する本件放送に係る音又は影像を複製する行為に当たるから、債権者TBSの本件 著作物についての複製権(著作権法21条)及び債権者SBSの本件放送に係る音又は影像 についての著作隣接権(同法98条)を侵害するとして、債権者TBSにおいて、本件著作 物を複製の対象とすることの差止め、債権者SBSにおいて、本件放送に係る音又は影像を 録音又は録画の対象とすることの差止めを求めた事案。  判決は、「著作権法上の侵害行為者を決するについては……行為(提供されるサービス) の性質、支配管理性、利益の帰属等の諸点を総合考慮して判断すべきである」とした上 で、「債務者は、本件対象サービスにおいて、本件著作物及び本件放送に係る音又は影像 の複製行為を行っているというべきであり、債権者TBS の本件著作物についての複製 権(著作権法21条)及び債権者SBSの本件放送に係る音又は影像についての著作隣接 権(同法98条)を侵害するものといえる」として、差止を命じた。 ■争 点 (1)本件サービスにおいて、債務者は、本件著作物及び本件放送に係る音又は 影像の複製行為を行っているか(争点1) (2)保全の必要性(争点2) ■判決文 第3 争点に対する当裁判所の判断 1 争点1(本件サービスにおいて、債務者は、本件著作物及び本件放送に係る 音又は影像の複製行為を行っているか)について (1) 事実認定  上記前提となる事実等、証拠及び審尋の全趣旨によれば、以下の事実が一 応認められる。 アロクラクUの仕様・機能(甲2の1〜2の3、2の18〜2の24、2 の30、乙1、12) (ア) 仕様  ロクラクUには、1台につき1つのテレビチューナーが搭載されてお り、複数のテレビチューナーが搭載された機種は存在しないから、1台 について1つのチャンネルの放送のみが入力される。 (イ) 基本機能  ロクラクUは、主な基本機能として、デジタル録画機能、インターネ ット機能(その一部としてメール機能)を有している。 デジタル録画機能は、アナログの放送番組等をデジタルデータとして 圧縮録画し、それを再生するハードディスクレコード機能である。 インターネット機能は、インターネットに接続しインターネットを利 用できる機能である。  メール機能は、インターネット機能の一部で、メールアドレスを有し て、電子メールを利用することができる機能である。メール機能の利用 により、ハードディスクレコーダーに保存されたデータを、他の機器に 転送することができるほか、メールによる番組予約をすることなどもで きる。  ロクラクUで受信録画できるテレビ放送は、機器の構造上、アナログ 地上波放送のみである。また、ロクラクUには、設定された録画時間枠 において継続的に上書き録画を行う、リングバッファ録画機能を備える ことも可能である。 (ウ) 親子機能 a ロクラクUには、親子機能を利用することができる機種(後記のと おり、親機能を持たせるためのファームウェア又は子機能を持たせる ためのファームウェアが組み込まれているもの。)があり、その親子 機能を利用することで、以下の手順により、別の場所のテレビ番組を 受信録画し、その番組データを手元に移動して、再生することが可能 となる。 (a) 親機ロクラクと、当該親機ロクラクと対応関係にある、子機ロク ラクを準備する。 (b) 子機ロクラクを手元に設置し、親機ロクラクを、視聴したいテレ ビ放送を受信できる別の場所に設置する (c) 子機ロクラクを操作し、親機ロクラクが受信する放送における、 自己の視聴したいテレビ番組の録画予約のメールを、親機ロクラク に送信する。 (d) 親機ロクラクは、子機ロクラクの操作により送信された録画予約 指示に基づき、番組を録画し、同番組データをハードディスク内に 記録した上、子機ロクラクに当該番組データをメールにより移動す る(移動後、親機ロクラクには番組データが保存されないように設 定されている。また、録画された番組データには、他の機器で更に 複製することができないように、 コピー防止機能が付されてい る。)。 (e) 子機ロクラクを操作し、親機ロクラクから移動して子機ロクラク に蓄積された番組データを、子機ロクラクにおいて再生して視聴す る。 b ロクラクUは、親機能を持たせるためのファームウェア、子機能を 持たせるためのファームウェアが組み込まれることによって、上記 ( )及び( )の機能のほかアイに、上記aの親子機能を有するようになる。 なお、機器の製造出荷工程のファームウェアを組み込む段階で、異な る種類のファームウェアを上書きすることはできない処理が行われる ため、通常の操作によって、親機能を持たせるためのファームウェア と、子機能を持たせるためのファームウェアとを入れ替えることはで きない。 イ 親機ロクラク及び子機ロクラクにより親子機能を利用するために必要な 準備等 (ア) 必要な環境準備 a 親機ロクラクについて(乙5)  テレビアンテナ(アナログ地上波放送受信)の接続環境、電源供給 環境、高速インターネットの接続環境である。 b 子機ロクラクについて(乙6)  電源供給環境、高速インターネットの接続環境である。 (イ) 必要な設置作業 a 親機ロクラクについて(乙5)  付属する電源ケーブルで、電源コンセントと親機ロクラク背面の電 源入力端子を接続する。  付属するアンテナ接続ケーブルで、アナログ地上波放送のテレビア ンテナ端子と親機ロクラクの背面のアンテナ入力端子を接続する。 イーサーネットケーブルで、インターネット回線につながるルータ ーなどのイーサーネット端子と親機ロクラク背面のイーサーネット端 子を接続し、電源を入れる。 b 子機ロクラクについて(乙6)  付属する電源ケーブルで、電源コンセントと子機ロクラク背面の電 源入力端子を接続する。  イーサーネットケーブルで、インターネット回線につながるルータ ーなどのイーサーネット端子と子機ロクラク背面のイーサーネット端 子を接続し、電源を入れる。  付属するビデオケーブルで、テレビモニタの映像・音声入力端子と 子機ロクラク背面の映像・音声出力端子を接続し、電源を入れる。 ウ 無料モニタを対象としたロクラクUのレンタル (ア) 無料モニタを対象としたレンタル 債務者は、平成16年初めころ、無料のモニタを募集し、これらのモ ニタを対象として、親子機能を有するロクラクUビデオデッキのセット をレンタルする事業(以下「本件モニタ事業」という。)を開始した (乙1)。  本件モニタ事業は、債務者が設定した要領(乙11の別紙のロクラク Uビデオデッキレンタル無料モニタ要領、以下「本件モニタ要領」とい う。)を承諾して申込みをした利用者について、実施された。その内容 は、以下のとおりである。 @ 本件モニタの目的は、債務者が、当時、将来的な実施を予定して いた「ロクラクUビデオデッキレンタル」という名称の賃貸事業の 試行であり、ロクラクU2台を無料で貸し出すことを内容とするも のであった(本件モニタ要領1項)。 A 利用者は、1台のモニタ機器を日本国外の手元に設置し、もう1 台のモニタ機器を日本国内に設置することが求められることになり、 手元のモニタ機器から日本国内のモニタ機器にメールを送信して、 日本国内のモニタ機器を直接操作することができ、私的使用目的の 範囲内で、日本国内のテレビ番組を録画予約し、録画した番組を手 元のモニタ機器に送信して、手元のモニタ機器で再生することがで きる(本件モニタ要領3項)。 B 日本国内に設置するモニタ機器については、利用者から特に不要 である旨の申出がない限り、債務者において設置場所を提供するこ ととなり、その場合、静岡県浜松市において通常受信できる放送の みを受信できる。この設置場所の提供には、番組受信ないしインタ ーネット接続のための設備の提供も含まれるが、債務者は、インタ ーネット通信回線及びテレビ放送受信アンテナなどの提供される設 備に関して、その品質や性能を保証しない(本件モニタ要領8項)。 また、本件モニタ事業の申込者は、住所を記載するとともに(住所記 載欄には、「Street」、「City」、「Zip Code」等の表示がされており、 外国の住所を記載することが想定されている。)、日本国外のモニタ機 器設置場所が上記住所と異なる場合や、日本国内に設置するモニタ機器 の債務者による設置場所の提供を不要とする場合には、モニタ機器の設 置場所を記入することが求められ、申込書には、モニタ期間中の機器の 移動は認められない旨注意書きされていた(乙11)。 (イ) 親機ロクラクの設置場所及びその状況  本件モニタ事業実施時は、上記(ア)Bのとおり、利用者からの特段の 申出がない限り、日本国内に設置するモニタ機器(親機ロクラク)は、 債務者の提供する場所に設置されることとされていた。そして、実際に は、債務者事業所内に設置され、保管されていた。その際の設置状況は、 別紙「親機ロクラクが債務者事業所内にも設置されていた当時の設置状 況」のとおり、債務者事業所のテレビアンテナ端子に分配機が接続され、 分配機の各出力端子と各親機ロクラクのアンテナ入力端子が、アンテナ 接続ケーブルで接続され、電源は、電源コンセントから供給され、各親 機ロクラクと高速インターネット回線とは、ハブ及びルーターを介して 接続されていた(乙7)。 エ本件サービスについて (ア) 本件サービスの開始  債務者は、平成17年2月ころ、同月末に本件モニタ事業を終了し、 同年3月10日から、同事業に代わり、有料で、親機ロクラク及び子機 ロクラクのレンタルを行うサービス(以下、このサービスのみを意味す る場合には「本件サーA ビス」という。)並びに子機ロクラクは販売 し、親機ロクラクのみレンタルを行うサービス(以下、このサービスの みを意味する場合には「本件B サービス」という。)を開始すること を決定し、本件レンタル規約(甲2の12、2の14、乙10の3の1、 10の4の1)を定めた上で、本件レンタル規約に同意した利用者に対 し、同日から、本件サービスを提供している。 (イ) 本件サービスに関する債務者ウェブサイト上の表示  債務者のウェブサイトには、「ロクラクUビデオデッキレンタル」に 関するページがあり、そこには、「海外出張でも日本のテレビ番組が楽 しめます。」、「ロクラクの親子ビデオ機能を使って日本のテレビ番組 が楽しめます。」との表示があり、その下に、「日本のロクラク親機」 及び「海外のロクラク子機」という表示とともに、テレビ番組が親機ロ クラクによって録画されて子機ロクラクに送られる様子が図示されてい る(甲2の1)。  また、「代理店募集中ただいま海外で『レンタルロクラク』の代理 店を募集中!」との見出しのもとに、「世界中どんな場所でも、ブロー ドバンド環境されあれば(ADSL・512Kbps 以上)、レンタルロクラク ビジネスが可能です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。」 と記載され、代理店募集地域として、「日本(成田国際空港周辺、中部 国際空港周辺、関西国際空港周辺)、ヨーロッパ(ロンドン、パリ、そ の他)、アジア(中国、日本、シンガポール、バンコク、その他)、オ セアニア(ニュージーランド、シドニー、その他)、北米(アメリカ、 カナダ、その他)、南米(ブラジル、ペルー、その他)」と記載されて いる(乙10の1)。 (ウ) 本件レンタル規約の内容  本件レンタル規約には、以下のとおり規定されている。 a 本件A サービス(甲2の12、乙10の3の1) 第5条(物件の買取予約、物件の交換) (2) 弊社は必要に応じて物件の交換を定期的に行えるものとします。 その場合の運送費用は弊社が負担致します。ただし、お客様が 予め買取予約をされている場合は、物件の交換を行うかどうか をお客様が決められるものとします。買取予約をされているお 客様が物件の交換を承諾された場合には、交換後の物件が、買 取予約の対象となります。 第7条(物件のお引渡し) (3) お客様は、本レンタル契約申込みの際に、物件の設置場所につ き「物件設置場所1(親ロクラク設置場所)」「物件設置場所 2(子ロクラク設置場所)」として登録していただきます。な お、物件設置場所の確保は、お客様の責任において行うものと し、弊社は一切関与いたしません。また、お客様が登録しよう とする設置場所につき、弊社が不相当と判断した場合には、お 客様は、弊社が相当と判断する、別の設置場所を登録しなけれ ばなりません。 第10条(保証金) (1) お客様は、初回費用とともに、レンタル契約成立時点のレンタ ル料金表に基づく金額の保証金を、弊社に支払わなければなり ません。 第19条(レンタル物件の返還) (1) お客様は、本レンタル契約が終了する場合には、弊社と事前に 打ち合わせた上で、弊社に対し、レンタル期間終了日までに、 契約当初の受領時と同じ状態で、レンタル物件を返還するもの とします。ただし、買取予約をされたお客様の物件は、レンタ ルの終了と同時にお客様の所有となりますので、返還の必要は ありません。 第23条(物件のメインテナンス) (1) 弊社は、物件につき、その性能や機能の維持向上を目的として、 弊社の定める方法及び内容によって、定期的に、1ヶ月にあた り5日間程度の日数につき、メインテナンスを実施いたします。 親子ビデオ・ロクラクUレンタル(標準モデル)レンタル料金表 <初回費用> 保証金(預かり金)※1: 50、000円(海外のご自宅の子ロクラク1台につき) 100、000円(日本側のご自宅の親ロクラク1台につき) ※親ロクラク保証金は、設置場所の安全度が弊社基準に適合 すれば不要です。詳しくはお問い合わせください。 初期登録料:3、000円(税込み:3、150円) 初回1か月分レンタル料金:8、500円(税込み:8、925 円) <月額費用(翌月より)> 月レンタル料金:8、500円/月(税込み:8、925円) お支払い:クレジットカード払い b 本件B サービス(甲2の14、乙10の4の1) 第6条(物件のお引渡し) (3) お客様は、本レンタル契約申込みの際に、物件の設置場所につ き登録していただきます。なお、物件設置場所の確保は、お客 様の責任において行うものとし、弊社は一切関与いたしません。 また、お客様が登録しようとする設置場所につき、弊社が不相 当と判断した場合には、お客様は、弊社が相当と判断する、別 の設置場所を登録しなければなりません。 第9条(保証金) (1) お客様は、初回費用とともに、レンタル契約成立時点のレンタ ル料金表に基づく金額の保証金を、弊社に支払わなければなり ません。 第18条(レンタル物件の返還) (1) お客様は、本レンタル契約が終了する場合には、弊社と事前に 打ち合わせた上で、弊社に対し、レンタル期間終了日までに、 契約当初の受領時と同じ状態で、レンタル物件を返還するもの とします。 第22条(物件のメインテナンス) (1) 弊社は、物件につき、その性能や機能の維持向上を目的として、 弊社の定める方法及び内容によって、定期的に、1ヶ月にあた り5日間程度の日数につき、メインテナンスを実施いたします。 親機・ロクラクUレンタル(標準モデル)レンタル料金表 <初回費用> 保証金(預かり金)※1: 100、000円(ロクラク1台につき) ※ レンタル物件の保証金は、設置場所の安全度が弊社基準に 適合すれば不要です。詳しくはお問い合わせください。 初期登録料:3、000円(税込み:3、150円) 初回1か月分レンタル料金:6、500円(税込み:6、825 円) <月額費用(翌月より)> 月レンタル料金:6、500円/月(税込み:6、825円) お支払い:クレジットカード払い (エ) 本件サービスの申込み 本件サービスの利用申込みは、債務者のウェブサイトから行われるが、 その際に利用申込者が債務者に送信する情報の入力画面は、以下のとお りである。 「現在のご住所(子機設置場所)」として、国名、郵便番号、住所、 電話等を記載する。 また、「日本側親機設置場所」として、「下記住所」、「後日、電話 で指定」又は「後日、メールで指定」のいずれかを選択し、「下記住 所」を選択した場合には、住所を記載する。 (オ) 番組表を利用した録画予約 本件サービスにおいて、子機ロクラクを操作して親機ロクラクにより 番組録画の予約をする場合、番組表を取得して、それに基づいて操作を 行うが、その場合、「iEPG」と呼ばれるソニー株式会社が開発したイ ンターネットでのテレビ番組予約方式を利用することとなる。iEPG 対 応の番組表は、一般のウェブサイトにおいて取得することができ、親機 ロクラクは、このようなサイトにアクセスして、提供される番組表を取 得する(乙16)。 具体的な録画予約の手順としては、まず、子機ロクラクを操作して、 親機ロクラクにおいて番組表を取得するように指示を出すと、それに 従って親機ロクラクがウェブサイトにアクセスして番組表を取得する。 そして、子機ロクラクを操作して、親機ロクラクあてに番組表情報閲覧 請求のメールを送ると、親機ロクラクは、同請求に従い、閲覧を求めら れている番組表を子機ロクラクに送り、子機ロクラクにおいて閲覧して、 番組予約の操作を行う(乙5、16)。 (カ) 親機・子機間の録画予約や番組データの送受信 親機ロクラクと子機ロクラク間の録画予約や番組データの送受信は、 プロトコルにより、債http 務者の管理するサーバを経由して、1対1の 個別対応関係をもって通信が行われている(甲18、乙16)。 (キ) 親機ロクラク設置場所の賃料 平成17年夏ころ本件サービスの申込みをしたある者は、当初、代理 店から、親機ロクラクを静岡県内において預かる場合には保証金が不要 である旨説明を受け、この取扱いに同意し、静岡県内で放送されるロー カル番組を含むテレビ番組を視聴していたが、その後、子機ロクラクの 画面上にある「NYX からのお知らせ」に、「Nustar Supply 不動産より お知らせ」として、親機ロクラクの設置場所用のアパート賃貸情報が送 信された。当該利用者が、設置場所の賃借の申込みを同子機ロクラクの 操作により行うと、 それ以降、 レンタル料とは別に、 賃料分が、 「Nustar Supply」の名称が用いられて、既に債務者に提供していたクレ ジットカード情報に係るクレジットカードにより決済されるようになっ た(甲10)。 このクレジットカード決済に用いられている名称(屋号名)は、一貫 して「Nustar Supply レントダイ」であるが、同名称でクレジットカード 決済を行っている事業者は、当初、債務者であり、平成18年7月10 日、日本コンピュータに変更された(甲13の1、13の2)。 なお、日本コンピュータは、本社事業所が静岡県浜松市<以下略>に 存在し、債務者の事業所と同一建物内の同一階に所在しており、債務者 と代表取締役を共通にし、他の2名の取締役も債務者の役員が務めるほ か、債務者にロクラクUのOEM 供給を行い、「録楽」、「ロクラク」、 「ろくらく」及び「ROKURAKU」の横書きの4つの単語を上から4段 に重ねた商標の商標権者である(甲14〜17)。 (ク) 債務者事業所内に親機ロクラクがないこと  現在、本件サービスに利用されている親機ロクラクは、静岡県浜松市 の債務者肩書住所に所在する債務者事業所内又は同事業所と同一階に所 在する日本コンピュータの事業所内には存在しない(乙21)。 (2) 検討  以上の事実をもとに、債務者が、本件著作物及び本件放送に係る音又は影 像の複製行為を行っているかについて検討する。 ア 複製主体  著作権法上の侵害行為者を決するについては、カラオケ装置を設置した スナック等の経営者について、客の歌唱についての管理及びそれによる営 業上の利益という観点から、演奏の主体として、演奏権侵害の不法行為責 任があると認めた最高裁判例(最高裁昭和59年(オ)第1204号同63 年3月15日第三小法廷判決)等も踏まえ、行為(提供されるサービス) の性質、支配管理性、利益の帰属等の諸点を総合考慮して判断すべきであ る。 イ 検討 (ア) 本件サービスの目的  債務者が行う本件サービスは、上記第2、1(3)のとおり、利用者が、 手元に設置した子機ロクラクを操作して、離れた場所に設置した親機ロ クラクにおいてアナログ地上波放送を受信し、これを録画することによ りテレビ番組を複製し、複製した番組データを子機ロクラクに送信させ、 子機ロクラクに接続したテレビ等のモニタに、当該番組データを再生し て、複製したテレビ番組を視聴することができるというサービスを、利 用者に対し提供するものである。用いられる親機ロクラクにおいて受信 できるのが日本国内のアナログ地上波放送であることから、親機ロクラ クは、日本国内に設置されることが必要であるが、子機ロクラクの設置 場所については、ブロードバンドのインターネット環境等が必要となる ほかは、機器の機能及び設定環境による制約はなく、日本国内外の設置 が可能である。  しかしながら、上記(1)ウ(ア)のとおり、本件サービスの正式開始前の 本件モニタ事業において、本件モニタ要領上(同3項)も、申込欄の住 所記載欄の表示(乙11)も、子機ロクラクは日本国外に設置すること が当然の前提とされていたと解される。また、本件サービスについても、 上記(1)エのとおり、日本国外で日本のテレビ番組を視聴することができ る点を強調して広告が行われ、サービス内容の説明においても、利用者 が日本国外で利用する場合を想定した説明のみが行われ、利用申込欄の 住所記載欄の表示も、国名の入力が求められている。さらに、本件サー ビスに係る代理店の募集についても、見出しに海外での代理店を募集す る旨が明記され、募集地域も、日本国内の国際空港周辺か世界各地域が 列挙されており、アジア地域の一部として「日本」が、場所も限定せず に記載されているのみである。  これらのことからすれば、本件サービスは、利用者において例外的に 異なる利用形態をとる場合があるとしても、日本国外において、日本の テレビ番組を視聴させることを目的として構築されたものであると解す るのが相当である。 (イ) 親機ロクラクの設置場所及びその状況 a 本件モニタ事業実施時、債務者が利用者に対しレンタルしていた親 機ロクラクは、上記(1)ウ(イ)のとおり、債務者事業所内に設置されて いたが、そこでは、債務者において、債務者事業所のテレビアンテナ 端子に分配機が接続され、分配機の各出力端子と各親機ロクラクのア ンテナ入力端子が、アンテナ接続ケーブルで接続され、電源は、電源 コンセントから供給され、各親機ロクラクと高速インターネット回線 とは、ハブ及びルーターを介して接続されていたのであって、本件モ ニタ事業における親機ロクラクの機能を発揮し得るように、債務者に よって、一体として管理されていたということができる。 b 本件モニタ事業終了後、本件サービスが開始されたが、利用申込書 において、上記(1)エ( )ウのとおり、親機ロクラクの設置場所の確保に ついて債務者が一切関与しない旨が示され、上記(1)エ(ク)のとおり、 現在、債務者事業所内に、本件サービスに利用されている親機ロクラ クは存在しない。  しかしながら、以下のような諸事情からすれば、債務者が親機ロク ラク設置場所に一切関与しないとは認め難い。  まず、上記(1)エ(ア)のとおり、本件モニタ事業終了の決定から、同 事業を終了し本件サービスを開始するまでが1か月に満たない短い期 間であり、本件サービスの提供者である債務者自身に、親機ロクラク の設置場所の確保が強く求められていたものと推測される。すなわち、 従前の本件モニタ事業の利用者の中には、同事業終了後も親機ロクラ クの移動先を指定せず、債務者事業所内に親機ロクラクを設置したま まにしている利用者がいたことがうかがえるが(甲9)、大多数の利 用者は、親機ロクラク設置場所確保を検討し、債務者自身や取扱業者 や代理店に対して、その問合せや確認をしていたことが推認される。 また、取扱業者や代理店も、自己の契約上の立場を維持するために、 利用者が本件サービスの申込みをして利用関係が継続されることに努 めていたと考えられる(債務者も取扱業者等はこのような立場にある ことを認めている。乙12)ところ、海外の取扱業者が、日本国内で 直ちに適切な親機ロクラク設置場所を一定数確保するのは困難である と解されるから、本件サービスの提供者であり親機ロクラクの所有者 である債務者自身に、親機ロクラクの設置場所の確保が強く求められ ていたものと推測される。しかも、取扱業者は、債務者によれば、規 模や活動方法、活動状況などは様々なのであり(乙1)、小規模の事 業者であるような場合には、一層、債務者に対する要請が強いものと 解される。  また、取扱業者の広告においては、親機ロクラク設置場所の賃貸物 件の斡旋が行われているが、同広告は、債務者ウェブサイトのURL 内部に構成されているものであったり(甲1)、債務者のウェブサイ ト上(甲2の1等)や、子機ロクラクに表示される画面上に債務者を 示す表示として用いられていた「NYX」という標章(甲10)を、 広告主を表示するものとして同様の字体で用いていたり(NYX INTERNATIONAL PTE LTD.による広告、甲1)、債務者のウェブサ イトに用いられている説明図面をそのまま利用したり(甲5の1〜3、 5の6〜7)するなど、親機ロクラクの設置場所の斡旋において、取 扱業者と債務者の関連性が深いことをうかがわせる。  さらに、「Nu Star Supply」なる名称の会社による親機ロクラク設 置場所の賃貸に関する広告が、本件サービス利用者の子機ロクラクに 提供され(甲10)、「Nustar Supply レントダイ」なる名称で、親機 ロクラク設置場所の賃料が決済され、その際、債務者以外には伝えて いないクレジットカード情報に係るクレジットカードでの決済がされ ている(甲10)などの事情も認められる。しかも、「Nustar Supply レントダイ」名義でクレジットカード決済を行っている事業者は、当 初、債務者自身であり、その後、日本コンピュータに変更されたとこ ろ、日本コンピュータは、上記(1)エ(キ)のとおり、債務者と人的結び 付き及び経済取引面において密接な関連を持つ会社である。 この点につき、債務者は、上記クレジットカード決済は、DD 社か らの依頼で「Nustar Supply レントダイ」として決済の代行をした旨主 張するが、その説明自体が極めて不自然であるし、仮にそうであれば、 取扱業者である同社とのより一層密接な関連がうかがえるところであ る。  これらのことからすれば、親機ロクラク設置場所の紹介等は取扱業 者が行っているもので、債務者は一切関与せず、設置場所も知らない という債務者の主張は、到底、採用し難いものといわなければならな い。 c そして、親機ロクラクは、本件サービスにおける利用者の用に供さ れているものの、その所有権は債務者にあり、本件サービス開始に当 たっては利用者に保証金の支払が求められ、本件A サービスでは債 務者の都合による機器の交換も可能であり、定期的にメインテナンス が実施される上、本件サービス終了時には返還が求められているもの であるし、債務者が、親機ロクラクの設置場所を不相当と判断した場 合には、別の設置場所を登録しなければならないとされる(上記(1)エ (ウ))。したがって、親機ロクラクがどのような場所に設置され、ど のような環境状況に置かれているかは、債務者にとっての重大な関心 事項であると解される。  債務者は、親機ロクラク設置場所について、取扱業者扱いとする旨 の処理が選択される場合には、取扱業者において破損、盗難等により 生じた損失に責任を持ち、終了時にも返還の保証がされるから、それ 以上に設置場所を明らかにさせず、保証金の支払も求めない運用をし ている旨述べる。  しかしながら、取扱業者が親機ロクラクの損失に責任を持ち返還を 保証するとしても、債務者が利用者に対して本件サービスを提供する 責任を負い、機器に対するメインテナンスも実施することとされてい る以上、親機ロクラクの設置場所及び環境状況等は、当然、債務者に とって重大な関心事項というべきであり、例えば、親機ロクラクによ る録画機能や送受信機能等に不具合が生じた場合には、その不具合の 原因が、債務者の所有する親機ロクラクの機器自体にあるのか、その 設置場所や環境状況等にあるのかを判断して対処しなければならない のであるから、親機ロクラクに関する設置場所や環境状況等を債務者 において把握できない事態は、明らかに不自然であるといわなければ ならない。  そうすると、債務者は、取扱業者を介する申込みにおいても、親機 ロクラクの設置場所の選定、維持、環境整備等に関与しているものと 考えざるを得ないところである。 d この点について、債務者は、親機ロクラク設置場所については一切 知らず、知る必要も予定もない旨述べ、本件モニタ事業実施時の状況 を踏まえ、裁判所又は債権者らから、親機ロクラクについて設置場所 を明らかにし、又は、債務者事業所内からの移動に関する事実関係を 明確にすることを求められても、上記のとおり回答するほか、債務者 代表者や取扱業者の作成に係る、「取扱業者が依頼した人物が引取り に来たので渡した」旨の、具体的な送り先、台数、業者名等を明らか にしない抽象的な内容を述べる陳述書を提出するのみで、債務者にお いて実行が可能であると考えられる客観的な資料の提出を行わない (審尋の全趣旨)。  そして、債務者は、債務者が上記事実関係を明らかにすることに よって、債権者らから、設置場所に関連する者に対し、無用な攻撃、 妨害行為、嫌がらせ等が想定されるから、これを回避すべく、親機ロ クラクの設置場所に一切関知しないという対応を徹底するために、事 実関係を明らかにしない旨を述べる(乙16)。  しかしながら、本件サービスに先立つ本件モニタ事業の実施時には、 債務者事業所内に親機ロクラクが設置されて債務者が管理していたと いう事実が認められる以上、債務者において、親機ロクラクの移動及 びその後の設置場所について、一定の客観的な資料をもって明らかに すべき状況にあることは当然といえる。また、確たる根拠がないにも かかわらず、第三者への妨害行為等を口実に、客観的事実関係を明ら かにしようとしない上記債務者の対応は、本件保全手続の当事者とし て、極めて不相当なものといわざるを得ない。 e 以上の、債務者が主張する事実関係の不自然さや本件保全手続にお ける対応からすれば、利用者が債務者とかかわりなく親機ロクラクを 設置しているような例外的な場合を除いて、親機ロクラクのほとんど が、取扱業者を通じて提供される設置場所に移動された後においても、 債務者は、親機ロクラクの設置、維持、環境整備等に関して、債務者 事業所内に親機ロクラクを設置していた場合と同様に、その管理を継 続しているものと考えざるを得ない。  そうすると、本件サービスに供されている債務者所有の親機ロクラ クのほとんどが、債務者の実質的な管理支配下にあり、債務者は、こ れらの親機ロクラクを、本件サービスを利用するための環境の提供を 含め、一体として管理しているものと解すべきこととなる。 (ウ) 利用者の録画可能なテレビ番組  上記(イ)のとおり、本件サービスにおいて、親機ロクラクは、実質的 に債務者の管理する設置場所に設置されている場合がほとんどであると 認められ、その場合は、利用者が録画することができるテレビ番組は、 同設置場所において受信できるアナログ地上波放送に限定されることに なる。 (エ) 本件サービスを利用する際の送受信の枠組み  本件サービスを利用する場合には、上記(1)エ(オ)、(カ)のとおり、債 務者においてあらかじめ設定したメールアドレスを用い、債務者の管理 するサーバを経由して、指示やデータの送受信が行われることとなる。 (オ) 本件サービスによる利益の帰属  債務者は、本件サービスによって、上記(1)エ(ウ)のとおり、「初期登 録料」及び「レンタル料」を取得している。 (カ) 小括  以上の事情を総合考慮すれば、債務者が、本件サービスにおいて、大 多数の利用者の利用に係る親機ロクラクを管理している場合は、別紙サ ービス目録記載の内容のサービス、すなわち、本件対象サービスを提供 しているものということができ、この場合、債務者が、本件著作物及び 本件放送に係る音又は影像の複製行為を管理し、それによる利益を得て いると認められる。 ウ まとめ  以上から、債務者は、本件対象サービスにおいて、本件著作物及び本件 放送に係る音又は影像の複製行為を行っているというべきであり、債権者 TBS の本件著作物についての複製権(著作権法21条)及び債権者SBS の本件放送に係る音又は影像についての著作隣接権(同法98条)を侵害 するものといえる。  債務者は、本件サービスが、あくまでも利用者個人がその私的使用目的 で賃借したロクラクUを利用する行為であって、その利用に関与するもの ではなく、利用者が賃貸機器を利用して放送番組を複製する行為の主体は、 利用者本人であり、債務者ではあり得ない旨主張する。  しかしながら、債務者は、上記判示のとおり、本件対象サービスにおい て、自らが本件著作物及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を行って いるのであり、このことと、本件サービスの利用者による放送番組の録画 が、私的使用目的で行われるか否かとは、直接関連するものではないから、 債務者の上記主張は、失当といわなければならない。 2 争点2(保全の必要性)について  本件対象サービスは、現在も継続されているところ、債務者が、本件対象サ ービスにおいて、本件著作物及び本件放送に係る音又は影像を複製し、それに よって、債権者の本件著作TBS 物についての複製権(著作権法21条)及び 債権者SBS の本件放送に係る音又は影像についての著作隣接権(同法98 条)に対する侵害が日々継続され、拡大しているのであるから、これを放置す れば、債権者らに著しい損害が生ずることが明らかであり、本件における保全 の必要性が認められる。  債務者は、本件申立ては、債務者に甚大な影響を与えるにもかかわらず、他 方で、債権者らに生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるために必要とする ものでは全くないから、保全の必要性に欠ける旨主張するが、上記に照らし、 債務者の同主張を採用することはできない。  また、債務者は、債権者らによる本件申立ては、債務者による親機ロクラク の占有管理を前提に、仮処分命令を履行できるとするものであるところ、債務 者が親機ロクラクを占有管理している事実はないので、仮処分命令を履行する ことはできない旨主張するが、上記1において認定したとおり、本件対象サー ビスにおいては、債務者が親機ロクラクを管理しているのであるから、債務者 の同主張は理由がない。  さらに、債務者は、本件サービスの利用者が正当な用法に従って子機ロクラ クを操作して行う親機・子機間の個別のメール通信を遮断する権限も機会もな く、もとより、他のメール通信と区別して、一部のテレビ番組録画用のメール 通信を選別して遮断することなどおよそできないし、ファームウェアの修正で、 ロクラクの他の機能に影響を与えずに、メール通信だけを遮断することなどで きない旨主張する。  しかしながら、上記1(2)ウのとおり、債務者は、本件対象サービスにおいて、 自らが本件著作物及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を行っているので あり、このことと、本件対象サービスの利用者による放送番組の録画が、私的 使用目的で行われるか否かとは、直接関連するものではなく、本件申立ては、 本件対象サービスにおいて、債務者が行っていると評価できる複製行為の差止 めを求めるものであるから、利用者が正当な用法に従った行為を遮断する権限 がない旨の債務者の上記主張は、その前提において誤りがあり、これを採用す ることはできない。そして、本件仮処分命令についての履行が技術的に全く不 可能であるとは認められない(例えば、本件著作物及び本件放送に係る番組を 除外した番組表が提供されるようにすることなどが想定される。)ので、その 点から保全の必要性を欠くということもできない。  なお、本件サービスに関連して、利用者自身が、日本国内の自宅など、債務 者が管理していると解される場所以外の場所に、親機ロクラクを設置して利用 する例外的な場合も考えられるところ、債権者らの本件申立ては、本件対象サ ービス、すなわち、別紙サービス目録記載のサービスにおける本件著作物及び 本件放送に係る音又は影像の複製の差止めを求めるものであり、同サービスは、 債務者が親機ロクラクを日本国内に設置することをその内容とし、上記の、利 用者が自宅に設置するなどの場合を含まないから、上記差止めを認容しても、 債務者が、上記1において認定、検討した態様において管理する場所に親機ロ クラクを設置している場合のみが対象となり、著作権又は著作隣接権侵害が問 題にならない態様のものまでがその対象に含まれるものではないことは明らか である。  そして、本件対象サービスにおいては、静岡県外の、債務者の管理する場所 に親機ロクラクが設置されている場合も想定されるが、債権者SBS の本件申 立ては、債権者SBS の放送する本件放送に係る音又は影像についての複製の 差止めであるから、本件放送について、上記差止めを認容しても、その対象は、 本件対象サービスにおいて静岡県内(及び本件放送が受信可能な隣接地域)に 親機ロクラクが設置されている場合に限定されるものである。 第4 結論  以上の次第で、債権者らの申立ては、いずれも理由があるから、これらを認 容することとし、主文のとおり決定する。 平成19年3月30日 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 清水 節    裁判官 山田 真紀    裁判官 片山 信 (別紙) サービス目録  債務者が、債務者の製造に係るハードディスクレコーダー「ロクラクU」の親機 を日本国内の保管場所に設置し、同所で受信するテレビジョン放送の放送波を同親 機に入力するとともに、同親機に対応する子機を利用者に貸与又は譲渡することに より、当該利用者をして、日本国内で放送される放送番組の複製及び視聴を可能な らしめるサービス (別紙) 著作物目録  以下の名称のテレビ放送番組  関口宏の東京フレンドパークU